近視治療(低濃度アトロピン点眼治療)
近視治療(低濃度アトロピン点眼治療)
近年アジアで急速に近視の割合が増加しています。近視は遺伝要素、そして環境要因も大きく影響しているとされています。最近の研究では屋外での運動は近視の進行を抑制すると考えられていますが、お子さんの屋外で遊ぶ時間が減少し、スマホやゲームなどの画面を見る習慣が増えたことで、眼の長さが伸び、ピントの位置がずれることで物がぼやけて見えるようになる近視になるお子さんが近年増えていると考えられています。
平成29年度学校保健統計調査によると「裸眼視力1.0未満の者」の割合は小学校32.5%、中学校56.3%、高等学校62.3%でした。10年前に比べても学童期の近視は全般的に増加傾向であることが確認されています。
ある程度の近視であれば問題ないのですが、近視が進行し続け、強度近視と呼ばれる強い近視になると網膜剝離や緑内障、近視による黄斑変性などの様々な疾患になるリスクが増えることが分かっています。
低濃度アトロピン点眼治療は、一日一回点眼することで、近視の進行を遅くすると考えられており、近視抑制の可能性があるとして注目されています。
1%アトロピン点眼薬を100倍に薄めた低濃度アトロピンを使います。日本ではまだ承認薬がなく、自費診療です。
シンガポール国立眼科センター(SNEC)のマイオピン(アトロピン0.01%)点眼薬を2年間継続した際の安全性については、以下のような報告がされています。
初診では現在の生活スタイルと屋外での活動時間などの問診をし、眼球に異常がないか診察します。問題なければ点眼を開始します。その後1ヶ月後に再診して頂き、異常が無かったか確認します。その後はおおよそ3ヶ月ごとに来院していただき、視力検査や診察を受けていただきます。
保険診療ではありませんのでものもらい、結膜炎などの他の症状で来院された際に、低濃度アトロピン点眼は処方出来ませんのでご注意下さい。
対象:おおよそ6歳~17歳までの方で、軽度または中等度の近視の方が対象となります。(どの程度の近視があるかは初回診察時にお話し致します。)
診察・検査料 | 2,000円 |
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マイオピン点眼薬 | 1本 3,000円 |
(税込)